Column コラム
2025.11.7
転職面接で聞かれることは?よくある質問と答え方を予習するよ
転職の一番のハードルって面接じゃない?緊張するし、何聞かれるかわかんないし。一生懸命答えたところで、「今の答えでよかった?」って不安になる。だから、ちょっとでも落ち着いていられるように、予習をしておくのがオススメだよ。
今回は、転職面接でよく聞かれる質問と、どう答えればいいかを見ていこう。
これを読めば、次の3つがわかるよ。
1.面接でよく聞かれる5つの質問
2.面接官が知りたいこと
3.質問に対する「いい」答え方
転職面接でよく聞かれる5つの質問

転職の面接で聞かれることって、そんなにバラエティに富んでない。たいていどこの会社でも聞かれることは同じで、次の5つはテッパンと言っていい。だから、ここはカンペキにしておこう。
- 自己紹介をお願いします
- 退職理由を聞かせてもらえますか?
- なぜ当社の求人に応募されたのですか?
- あなたの長所・短所は何ですか?
- 仕事でやりがいを感じるのはどんな時ですか?
たとえば「自己紹介をお願いします」っていうのは、プライベートな趣味とかを聞いてるんじゃないんだよね。ビジネスパーソンとしての自己紹介、つまり職務経歴とかを含めた回答をしなくちゃいけない。
こういう質問のウラには、面接官の知りたいことが隠れてる。それを知っておくと、答えやすくなるよ。
質問の具体的な答え方は、この後「質問の目的に合う『いい答え』とは」の章で詳しく紹介するね。
質問のウラで何を見る?面接官が知りたいこと

面接官はいろんなことを聞いてくるけど、知りたいのは大きく分けてこの3つ。
- 即戦力になるか
- ウチの会社に合うか
- 本気でウチの会社に入りたいのか
詳しく見ていくよ。
1)即戦力になるか

会社が転職者に求めるのは、何といっても「即戦力」。だから、どんな知識や経験があるか、仕事とか組織の管理に役立つスキルがあるかを知りたい。
もちろん、どんなにすごい知識とか経験・スキルでも、その会社で活かせるものじゃないと、面接官にとって魅力にならない。
2)ウチの会社に合うか

会社って、いろんな人が集まって働く組織。組織として大きな力を発揮するには、社員同士のコミュニケーションとかも大事だよ。だから、周りにうまく合わせる協調性があるかも大きなポイント。
あと、会社にはなんとなく独自の文化とか価値観、雰囲気がある。「社風」っていうんだけど、それに合うかどうかも大きいね。合わないと、お互いがハッピーじゃない。
これは面接での受け答えとか雰囲気とか、雑談も含めて全体で判断される。
3)本気でウチの会社に入りたいのか
転職活動は、一社だけじゃなく何社にも応募するものだってこと、面接官はわかってる。だから、他の会社に合格したらそっちに行くんじゃないか、っていう心配もある。
それに、転職するってことは、他の会社を退職する(した)ってこと。だから、「ウチに来てもまたすぐ辞めたりしない?」っていう疑いの目もある。
質問の目的に合う「いい答え」とは

聞かれることはどの会社でもだいたい一緒だけど、質問の答えはその会社とか仕事とかによって変える必要もある。
上の章で紹介した「面接官が知りたいこと」を頭に入れて、最初に紹介した5つの質問に対する答え方のいい例を見ていこう。
「自己紹介をお願いします」

この質問で見られるのは、次の3つ。
- 人柄とか第一印象はどうか(明るさ、姿勢、熱意とか)
- コミュニケーションはちゃんと取れるか(話し方、敬語の使い方)
- 仕事に役立つどんな実績・スキルがあるか
さっきも書いたけど、ここでは「ビジネスパーソン」としての自己紹介が必要だよ。
答え方のポイント
落ち着いて、なるべく簡潔に話そう。順番はこんな感じ。
- あいさつ(氏名・意気込み)
- 現職の仕事内容・役割
- 応募する仕事に共通する経験やスキル
- 3からつなげる自己アピール
意気込みって言うのは、「よろしくお願いします」ってことだね。
いい答え方
いい自己紹介の例を挙げてみるよ。
○○(フルネーム)と申します。
本日はよろしくお願いいたします。
前職では、約2年間、おもに法人向けの営業を担当してまいりました。
仕事で得た私の一番の強みは、お客様の話を最後までじっくり聞く「傾聴力」です。
クライアントのニーズを引き出し、それにぴったり合ったご提案をすることが、売上のアップにつながったと自負しています。
これは営業の例だけど、自分の仕事とか経験に合わせてアレンジしてみて。意気込みは、自己紹介の最後でもぜんぜん問題ない。
「退職理由を聞かせてもらえますか?」

この質問で見られるのは、この3つ。
- 物事を人のせいにする「他責思考」じゃないか
- 向上心があるか
- 退職理由と志望動機に矛盾がないか
他責思考は、どの会社でも歓迎されない。責任感がないって見なされるからね。だから、退職を会社や上司のせいにするのはNGだよ。どんな事実があったとしても、印象が悪くなる。
答え方のポイント
退職理由がどんなにネガティブなものでも、できるだけ前向きな方向に持っていこう。「つまらなかった」じゃなくて、「新しい分野に挑戦したい」とかにポジティブ変換。
もう1つ大事なのが、転職先で解決できる(と思われる)ことを、退職理由にすること。退職理由と志望動機にズレがあると、説得力がなくなる。
たとえば、「もっと大きなフィールドで自分の力を試したくて」とか言って、地域密着の小さな会社に応募したら?なんか矛盾してるよね。
いい答え方
退職理由のいい答え方は、こんな感じ。
法人営業を3年ほど続け、企業のニーズを満たして喜ばれることにやりがいを感じてきました。
でも最近、企業より個人のお客様とやり取りしたい、その方が自分のスキルを活かせるんじゃないか、と思うようになりました。
しかし、今の会社では個人向け商材がなく、機会がありません。
組織の論理やしがらみにとらわれず、個人のニーズを満たすことこそ、仕事のやりがい、醍醐味ではないかという思いが強くなり、転職を決意しました。
自分には何かやりたいことがあって、それを活かす機会が今の会社にはない、自分がもっと成長するためには、転職しかない、みたいな、ポジティブなニュアンスが伝わるといいと思う。
「なぜ当社の求人に応募を?」

この質問で見られるのは、次の3つ。
- 転職先は他の会社でもいいんじゃないか
- ウチの会社でどう活躍してくれるか
- 退職理由との矛盾はないか
志望動機で「どこの会社でも当てはまりそうなこと」を言っちゃうと、「じゃあ別にウチじゃなくてよくない?」って思われる。会社のことをちゃんと調べてないと、ここでバレる可能性も高い。
答え方のポイント
志望動機は、あくまで募集されてる仕事内容とか、会社の特徴に関係するものがいいよ。
本音でも、「給料が高いから」とか「家から近いから」とか、勤務条件を一番に答えるのはやめた方がいい。それはあくまで、二番目以降の理由にしておこう。
自分の強みを生かして、「前の会社ではできなかった、かつ、その会社ならできること」をやりたい、みたいな内容がベストだね。
いい答え方
志望動機は、退職理由として挙げたことが「この会社に入れば叶う」んだと伝えるのがいいと思う。
たとえば、こんな感じ。
大きな組織を相手に仕事をするより、地域の人々に近い仕事がしたいと思い、インターネットで求人を探していたところ、御社の求人広告を見つけました。
公式サイトも拝見したのですが、社員の方々が地域への愛着や誇りを持ってお仕事をされ、地域の方々に信頼されているのが伝わり、とても魅力に感じました。
自分もその一員になれればと思い、応募させていただきました。
自分の理想をただ挙げるだけじゃなくて、その会社のいいところを挙げる。で、それこそ自分が求めていることだ、ここで自分のスキルを活かしたいんだ、って気持ちを伝えるのがいいと思う。
「公式サイトを見た」っていうのも、関心が強い、熱意があることのアピールになるよ。
「あなたの長所・短所は何ですか?」

この質問で見られるのは、次の3つ。
- 自分を客観的に見られるか
- ウチの仕事でマイナスになる短所がないか
- 短所を克服しようと努力してるか
正直に答えればいいんだけど、致命的な短所は言っちゃダメ。あと、短所を直す努力をしてるかどうか、それを話すかどうかも大きなポイントだよ。
答え方のポイント
面接官は、長所と短所をただ知りたいワケじゃない。見るのは、自分のことをちゃんと理解してるか、短所を短所として認めてるか。あと、短所は直す努力とかしてるか、そこも大事。
短所は、長所とセットにして、「別にそんな悪いことじゃないじゃん」くらいのを言うのがオススメ。
「時間にルーズでよく遅刻する」とか「短気でよく人と揉める」とか、仕事に支障が出そうなことは言わない。それだとどこも採用してくれないから、マジですぐ直した方がいい。
いい答え方
短所は長所とセットにする、っていう例を挙げてみるね。
長所は、どんな仕事にもていねいに取り組むところです。お客様の身になって考え、自分にとっては多くの中の1人でも、お客様にとっては唯一だということを、いつも意識しています。
短所は、逆にそのせいで、1つの仕事に集中しすぎるところです。時間をかけすぎないように、最近は時間を区切り、効率を上げるよう気をつけています。
思いつかなかったら、仕事に必要な特徴を長所にして、その裏返しを短所として考えてみて。長所でもあり短所でもある、みたいなのが説明しやすいかも。
「責任感が強すぎるのか、人に頼るのが苦手」とか、「頑固なところがあって、一度決めたことはやり通さないと気が済まない」とか。
「仕事でやりがいを感じる時は?」

この質問で見られるのは、次の3つ。
- 仕事にマジメに取り組める人か
- 会社の方針に合いそうか
- 他人(会社やお客様)の利益のために動けるか
「何にやりがいを感じるか」によって、仕事や会社に何を求めてるのかがわかる。そこから、会社の方針とかに合う・合わないを判断される。
答え方のポイント
答えはズバリ、「お客様に感謝された時」とか「目標を達成できた時」にするのがベストだね。もちろん、あれば別のことでもいいけど。
ただ、「○○にやりがいを感じます」って言うだけじゃ不十分。どんな時にどう感じたか、実際のエピソードを交えて話すのがベストだね。
いい答え方
仕事でやりがいを感じたこと、「やっててよかった」って思った時のことを思い出そう。たとえばこんな感じ。
私が仕事にやりがいを感じるのは、自分の提案がクライアントの希望に合い、「ありがとう」の一言をもらえた時です。
一度、クライアントから複雑なシステムの導入を相談されたものの、社内で意見が割れ、難航したことがありました。でも、何度も話し合いを重ね、最後には私に頼んでよかった、とまで言ってもらえました。その時は、この仕事をやってきてよかった、と心から思いました。
別に大きなことじゃなくていい。ちょっとしたことでも何かないか、探してみて。
これも聞かれる率高し!その他の質問

面接で聞かれることは、上に挙げた5つ以外にもいろいろある。急だと答えに困りそうな質問もあるから、心の準備をしておこう。
たとえばこんな感じ。
- 退職後のブランクが長いですが、この間は何をしていましたか?
- 前々職の退職理由は何ですか?
- 転職回数が多い理由は何ですか?
- 何か質問はありますか?
それぞれ、簡単にポイントを解説していくよ。
退職後のブランクが長いですが、この間は何をしていましたか?

退職から何カ月もブランク、つまり働いてない無職の期間があると、これを聞かれがち。「失業保険もらって遊んでたんじゃない?」「ちゃんと働く気はある?」っていう面接官の疑いを晴らそう。
たとえば、「自分に合った仕事をじっくりと探したかった」だと、ちょっと弱い。できれば、「その間に○○の勉強をして資格試験を受けた」とか、遊んでたわけじゃないっていう証拠がほしい。
もし体調を崩してたなら、「前職が激務で体調を崩し、休養しておりました」ってだけじゃなくて、「今は完治して仕事に支障はない」ってことまで伝えよう。そうじゃないと、採用は難しくなるよ。
前々職の退職理由は何ですか?
転職が2回目なら、1回目の会社を辞めた理由も聞かれることが多い。これも、「すぐに辞めるのでは?」という心配からくる質問。だから、ポジティブ変換で答えよう。
たとえば、「人間関係が悪くて」なら、「チームワークが活かせる職場で働きたいと思ったので」、
「仕事がつまらなかったので」なら、「いろんなことに挑戦してみたいと思ったので」とか。
何度も言うけど、他の回答と矛盾しないようにね。
転職回数が多い理由は何ですか?

転職回数が20代で3回以上、30代で4回以上だと「多い」って見なされて、その理由を聞かれることも多い。
仕事に一貫性があれば、キャリアアップ、ステップアップが理由になる。でも、とにかくイヤで辞めた場合とか、全部の退職理由をポジティブ変換するのは難しいよね。
そういう場合は、下手にウソをつくより素直に答えた方がいいと思う。
たとえば「実は最初は仕事を甘く見ていて…」とか、反省のニュアンスを入れれば、「若気の至り」で許されることもある。もちろん、「今は違う」ってことを忘れずに伝えなきゃアウトだけどね。
何か質問はありますか?

これはいわゆる「逆質問」っていうやつで、面接の最後によく聞かれるよ。
もし、ここまでの流れでいろんな話が聞けてたら、「知りたいことはすべて教えていただいたので大丈夫です」とかって答えればいい。「別にない」じゃなくて「十分です」っていうニュアンスを入れるのがベスト。
ただ、話があまり聞けてない場合は、何か聞いておいた方がいいし、「知りたい」という姿勢も見せるのがベター。聞きたいことを素直に聞いてみよう。
おすすめなのは、この2つ。
- このお仕事で、一番辛い、大変なことは何ですか?
- 入社までに、勉強などしておいた方がいいことはありますか?
入社後のギャップを減らすために、ちょっとでも実状を知っておきたいし、準備しておきたい。
これはNG!面接に失敗する「減点ポイント」とは

面接官が望む「いい答え」をすることも大事なんだけど、そのまえに減点されないことも大事。内容によっては、一発アウトになりかねないからね。
よくありがちな減点ポイントと、一発アウトになりかねないNGポイントを見ておこう。
よくある減点ポイント
面接の減点ポイント、よくあるのはこういうケース。
- 前の会社や上司の悪口を言う
- 自分の言葉で答えない
- 履歴書とかの内容と違うことを言う
- 給料とか休みとか、待遇の話ばかりする
- 一度説明されたことを質問する
「自分の言葉で答えない」っていうのは、たとえば「どうしてウチに?」って聞かれた時に、「経験を活かして御社に貢献したいです」みたいな定型文、どこでも言えるようなことしか言わないこと。
応募する会社に合わせて、自分の言葉にして答えにしよう。
逆質問では、ちゃんと途中で説明があったのに、初めて聞くような顔で質問しちゃう人がたまにいる。緊張すると思うけど、話はちゃんと聞いておこう。
一発アウトもあり得るNGポイント

面接は、謙虚な姿勢でいることも必要だよ。質問の答えは、答えの内容だけじゃなくて態度とかも見られてる。大げさにへりくだる必要は全然ないけど、失礼にならないようにしよう。
特にこういうのは、1つでもやっちゃうと挽回は難しい。
- 連絡なしで遅刻、謝罪なし
- まったく目を合わせない
- スマホの電源を切り忘れる
- 面接中にスマホを操作する
- 足を組んで座る
転職面接は予習して気持ちに余裕をもとう

転職の面接で聞かれることは、たいてい決まってる。けっこう答えにくい質問もあるから、どう答えるかはちゃんと考えておくのがオススメだよ。
ポイントは、面接官が何を知りたいのかを理解して、それに答えること。「やる気」や「まじめな姿勢」を見せるのも大事なポイント。
ただ、よく見せようと思ってウソをついても、後から自分が苦労するからやめた方がいい。「もしダメだったら、それは縁がなかっただけ」って思って、気楽にいこう。