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中途の転職

未経験での転職は何歳まで?「年齢の壁」のホントのところ

今の仕事が自分に合わないって感じてる人は多い。転職して違う仕事に挑戦したいと思うけど、「年齢的に大丈夫かな…」と思って踏み出せない人も多いんじゃないかな。

転職にはリスクがあって、さらに未経験で、さらに年齢も…ってなると、踏み出せないのもよくわかる。

今回は、未経験で転職するときの「年齢の壁」について、企業側のホンネと実状、対処法を紹介するよ。

このコラムを読んだら、次の3つがわかるよ。

  1. 未経験職種の求人に見る企業のホンネ
  2.  20代・30代で未経験転職に成功するポイント
  3. 年を気にせず、今すぐできること

未経験での転職に「年齢の壁」があるのは事実

年齢の壁に悩んでいる人

「年齢なんて関係ない!」と言いたいのはやまやまだけど、現実はそうじゃない。

法律上は、求人募集とか採用で年齢制限をすることは原則として許されない。実際、未経験でも採用してくれる会社はたくさんある。でも、「何歳でもいい」とは思われてない。

でもこれには、企業側にだって事情がある。大きいのはこの3つ。

  • 人件費のコストを下げたい
  • 教育の時間やコストも少ない方がいい
  • 知識やスキルの「伸びしろ」が心配

つまり、年齢が上がるほど、企業は「この人を雇うのは負担が大きい」って考える。詳しく見ていこう。

人件費のコストを下げたい

若者、これからどんどん経験値を積めていける人

年齢が上がれば、基本的には給料もそれなりに払う必要がある。でも、企業としては、ただでさえ「未経験」というハンデがある人を雇うんだから、高い給料を払うのはなるべく避けたい。

となると、経験値が同じなら、若い人を採用した方が給料を安くできて、コストの節約になる。

教育の時間やコストも少ない方がいい

未経験者の新人研修

未経験の人を雇うなら、仕事を教えないといけない。一人前に育てるには、教える人と教える時間が「コスト」として必要になる。もちろん、これは企業にとって「投資」でもある。

投資するからには、長く働いて会社にたくさん貢献してもらいたい。その点で見ると、できるだけ定年に遠い人を雇った方が「高コスパ」だと考えるのも仕方ない。

知識やスキルの「伸びしろ」が心配

年を取るにつれて、新しいことを覚える能力とか吸収力、新しい環境に慣れる適応力とか柔軟性は衰えていくのが一般的。だから、企業としては「仕事についていけるか」「会社になじめるか」ってところが心配になる。

しかも、前職での経験が長いほど、自分の会社とは違う体制とか価値観、仕事のやり方に染まってる可能性も高い。そうなると統制しにくくもなるから、「やっぱり若い方が…」って結論になる。

それは国も認めてて、だから「長期勤続によるキャリア形成を図るため」とかの事情があれば、条件付きで年齢制限をしてもいい、ってことになってる。

未経験での転職のタイムリミットはいつか

未経験転職のタイムリミット

じゃあ実際、「何歳までならいいのか」というと、これにも明確な決まりは当然ない。ただ、求人広告を見ていると、大まかに次のような傾向が見えてくる。

  • 事務や企画、営業・・・35歳まで
  • 工場での製造、現場作業・・・40歳まで

事務とかの仕事は、大企業だと「30歳まで」のところも多い。でも、建設関係だと「44歳まで」とか高めのところもけっこうある。

これには、たぶん人手不足の深刻度合も関係してる。企業は、年齢制限を高めにすることで、応募人数を少しでも増やしたい。応募がこないと始まらないから。

逆に言えば、年をとるほど、未経験での選択肢が少なくなって、しかもその選択肢には「人が集まらなくて人手不足」の仕事が多くなる、ってことじゃない?

未経験で転職するための、年代別成功ポイント

年代別のポイント紹介

企業側のホンネは「若い方がいい」だとしても、年齢だけで採用を決めることはない。だから、「自分はもう〇歳だし」なんて諦めるのはまだ早い。

じゃあ、どうすればいいかっていうと、業務経験以外で役に立てることや、その年齢ならではの良さをアピールする。

年代別に、企業が何を求めているか、それに対して何をすべきかを紹介していくよ。

20代は「ポテンシャル」と「基本のマナー」

20代の若い人、ポテンシャル有り

20代は、まだポテンシャル、つまり伸びしろで勝負できる年代。なので、「将来性」に期待して採用してくれる可能性がある。

20代の転職成功ポイント

仕事は未経験でも、社会人として「新卒より上」だと証明したい。それには、社会人としてのマナーがちゃんと身に付いてることが必須。

服装や髪型、清潔感のある身だしなみはもちろん、あいさつとか敬語の使い方、時間やルールを守ること。こういうのがちゃんとできてれば、信頼してもらいやすい。

20代の転職の注意点

20代での転職でネックになるのは、「忍耐力」とか「持続力」が疑われること。前の職場を数年で辞めたってことは、「ウチでも続かないんじゃないの?」とか思われる可能性がある。

だから、退職理由と、志望動機をしっかりと固めておきたい。「なんとなく」とか、「上司が嫌だったから」とか、第三者が納得できないような理由では、採用も難しい。

30代は「リーダーシップ」と「ポータブルスキル」

30代のリーダーシップがありそうな人

30代は、ある程度の社会人経験を積みつつ、まだまだこれから働き盛りだと見なされる。なので、これまでの経験を見て、将来性を計ることになる。

転職の成功ポイント

30代は、仕事の経験で「何をして、何を得てきたか」と、それを新しい仕事に「どう活かせるか」をアピールすることが重要。しかも、指示されないとできない、とかでは不十分。「主体性」とか「リーダーシップ」も求められる。

自分がチームやプロジェクトを主体的に率いて、何かを成功させた実績があれば評価されやすい。それを、未経験の仕事や会社でどう活かせるかを考えてアピールしよう。

課題を解決させるアイデアとか提案力、実行力、トラブル時の対応力とかは、どんな職場でも役に立つ「ポータブルスキル」の一部。

特に30代後半は、何らかのポータブルスキルがないと未経験での採用は厳しい。

30代の転職の注意点

30代は、「逃げ」の転職だと誤解されないよう気を付けたい。退職理由や志望動機にも、あくまで「ポジティブな理由」が必要。

会社や上司が悪い、自分は悪くない、みたいな「他責思考」はNG。主体性とか計画性が見られないと、「30代にもなって?」「今まで何してたの?」と呆れられるし、本気度も疑われる。

まずは書類選考の通過がマストなので、職務経歴書をいかに充実させるかがカギ。

アピールできる具体的な成果が何もないなら、退職する前に何かしておきたいところ。

40代は「マネジメント経験」と「柔軟性」

40代のマネジメント力があるもの

40代となると、採用の基準は完全に「即戦力」となる。だから、未経験での転職は正直かなり難しい。基本的には、これまでの仕事で会社を変えたキャリアアップか、業界を変える転職となるのが現実的。

転職の成功ポイント

難しいのは事実だけど、可能性はゼロじゃない。たとえば次のようなケースなら、40代でもまだいける。

  • 年齢や経験より人柄などが重視される仕事
  • プレーヤーでなく管理職を求める企業
  • 若者と同等待遇で受け入れるケース

たとえば医療や介護で、資格がなくても始められる仕事。業界全体で人手不足が深刻だし、患者や施設利用者への対人スキルや人間性が重視されるので、40代でも可能性は大いにある。

また、会社によっては、中間管理職以上のポストが空いているケースがある。その場合、業務経験がなくても、管理職としての能力や人間性が認められれば、歓迎される可能性も高い。もちろん、同業界など共通する経験があるとベター。

中小企業やベンチャー企業の中には、未経験者を年齢に関係なく(つまり20代と40代を同等の給与や待遇で)受け入れる企業もある。再スタートのつもりで挑戦するなら、オススメできる。

40代の転職の注意点

40代で未経験職種に挑戦するなら、プライドを捨てる覚悟も必要。特に次の3つは、覚悟したつもりでもダメージを受ける人が多い。特に男性の場合。

  • 給与が下がる
  • 年下から指導・指示・注意される
  • 「過去の栄光」は通用しない

40代・未経験での転職で、給料アップは期待できない。年下の上司にあれこれ指図されたり、注意されたりすることも当然ある。プライドが高いと、カチンとくることもあるだろう。

前の会社でどんなに活躍していようと、誰も尊重してくれないし、自慢しても煙たがられがち。だから、謙虚な姿勢で、かつ年長者としての適応力を見せたいところ。

それができなければ、また「自分に合わない」って転職を考えることになる。

未経験ハンデを超えるポータブルスキルとは

自分が所持しているスキル

年齢は障害となり得るものの、今の自分は間違いなく一番若い。立ち止まって悩むより、行動した方がいい。

とはいえ、さっきも書いたとおり、年を取るほどポータブルスキルがないと通用しない。自分にどんなポータブルスキルがあるか、例を挙げていくから確認しよう。

課題解決スキル

情報から、次に何をすべきかを判断するこkとができる人材

会社が求めるのは、自分で課題を見つけ、解決しようとする人間。なので、次の3つが重要視される。

  • 課題発見能力…何がネックなのか、どこが問題なのかに気づく
  • 計画力、実行力…目標を決めて計画を立て、計画通り行動に移す
  • 分析力…数字などの情報から、次に何をすべきかを判断する

たとえば、昔からの慣例が非効率だと気づいて改善した、計画途中にトラブルがあったものの、臨機応変な対応で成功できた、とか。
売上データを分析して、営業のやり方を変え、利益が1.5倍になった、みたいな経験があるといい。

対人スキル

コミュニケーションの能力が高い人

コミュニケーション能力が高い人は、どんな業界でも役に立つ。具体的にはこういうスキル。

  • 傾聴力…相手の話を聞き、ニーズや本音を引き出す
  • 調整力、交渉力…部署などをまとめる
  • 伝える力…難しいことをわかりやすく説明する

クレーム対応で顧客の隠れたニーズに気づき、対応して感謝された、バラバラだったチームの意見をまとめ、妥協点を見つけた、新人教育でマニュアルを作成し、誰でも簡単にできるようにした、など。

前向きで自主的な姿勢

前向きに業務に取り組めている人

未経験だから教わることも必要だけど、受け身だけでは不十分と見なされる。必要なのはこういうスキルとか姿勢。

  • 持続力…モチベーションを維持してやり続ける
  • 向上心、学習意欲…新しいことを積極的に学ぶ姿勢
  • 柔軟性、適応力…新しい環境や組織にすぐ慣れる

何かに粘り強く取り組んだ経験とか、へこたれずに続けて何かを達成したとかいう経験があるといい。

仕事を教えてもらうだけでなく、自分から学ぼうという姿勢、新しい環境に自分からなじもうという姿勢も見せたい。

年齢と経験のハンデを超える「何か」を探そう

自分の中にある可能性、スキルを探す

未経験での転職は、それだけでハンデだし、年を取るほど厳しくなる。ボーダーラインは、オフィス系ワークなら35歳、現場系なら40歳と考えよう。

でも、すごくやりたい仕事があるなら、もしくは今の状況をどうしても変えたいなら、何歳だって挑戦するべきじゃないかな。考えてるうちに、ハードルは高くなるばかりだし。

ただ、転職するならせめて、年齢も経験もカバーできる「何か」を持とう。「どの会社でも役立つスキル」があれば、チャンスも広がる。

ポータブルスキルなんてない、って人でも1つくらいはあると思うから、転職のプロに相談してみるといい。第三者目線で、きっと何か見つけてくれる。

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