Column コラム

働きやすい職場

ホワイト企業ってどんな会社?ヤバくない会社の選び方

働くなら、ブラック企業よりホワイト企業の方がいいに決まってる。でも、ホワイト企業ってそもそも何かって聞かれたら、どう答える?残業がない会社?給料が高い会社?

今回は、ホワイト企業っていったい何なのかを見ていこう。間違ってヤバい会社に入らないように、求人情報とかでチェックするべきポイントも紹介するよ。

このコラムを読めば、次の3つがわかるはず

1.「ホワイト企業」のざっくり定義

2.ホワイト企業を見分けるポイント

3.「ヤバい企業かどうか」を見分けるコツ

「ホワイト企業」は「ブラック企業」の反対語

長時間の残業をするブラック企業

実は、「ホワイト企業」がどんな会社を指すか、統一された定義は存在しない。昔はそんな言葉もなかったしね。

2000年代くらいから、ヤバい会社のことを誰かが「ブラック企業」って呼び始めて、その反対でいいイメージの会社を「ホワイト企業」って呼ぶようになった。

ホワイト企業のざっくり条件

労働環境のいい会社

共通認識としては、この2つに当てはまることはマスト。

  1. 法律をちゃんと守る
  2. 労働環境がいい

これは、「従業員を大切にする会社」とも言い換えられる。従業員を大事にすれば、労働法を守るのは当然だし、労働環境もよくしようとするのが自然の流れだからね。

国もホワイト認定を「見える化」

見える化、ホワイトなのか評価をしてる人物。もしくは国の擬人化

定義はないんだけど、国ではいくつかの指標とか制度を作って、「社員が働きやすい労働環境を作っている会社」を認定してる。認定されてれば、ホワイト企業の可能性は高いと言える。

よく聞くのは、5つの制度。会社のホームページにマークが載ってたり、国のウェブサイトに会社名が一覧で表示されたりしてるよ。

  1. ホワイトマーク企業(安全衛生優良企業)認定
  2. ホワイト500/ブライト500(健康経営優良法人)
  3. くるみん認定
  4. えるぼし認定
  5. ユースエール認定

名前だけ聞いてもよくわかんないよね。1つずつ簡単に説明しよう。

ホワイトマーク企業(安全衛生優良企業)認定

これは、厚生労働省による制度。従業員の安全とか健康を守る取り組みをしてる企業を認定して、会社名を公表してる。

たとえば、過去3年以内に労働関連の法律違反をしてない、平均して1カ月60時間を超える残業をした社員がいない、とか。

あとは、有休取得率が70%以上とか、リフレッシュ用の何か設備を社内に作ってるとかね。これはマストじゃないから、そうでなくても認定されてる会社はある。

ホワイト500/ブライト500(健康経営優良法人)

こっちは、経済産業省がやってる制度。ややこしいけど、ホワイトマークは言ってみれば「最低限の労働環境を確保」するのに対して、こっちは、会社が成長するための戦略として、社員の健康のために投資、つまりお金をかけることが条件になってる。

全員に定期健康診断を受けさせる、フレックスタイムやテレワークみたいな「柔軟な働き方」ができる制度を作る、とか。

あとは、スポーツジムの利用料を補助するとか、社員食堂で低カロリーなメニューを出す、とかね。何をしてるかは会社によって違う。

「経営優良法人」の中ても、とくに認められた大企業は「ホワイト500」、中小企業は「ブライト500」に認定される。「500」は、つまり上位500社に入るよ、ってこと。

くるみん認定

これは、厚生労働省が主体で、子育てをする社員をサポートしてる会社が対象。育児休業の取得率とか、短時間勤務制度の利用人数とかの実績が判断基準になる。

くるみん認定を受けた会社の中でも、特にその基準が高い会社は「プラチナくるみん」の認定が受けられる。

「くるみん」は、赤ちゃんの「おくるみ」と、会社が社員の子育てを包み込んでサポートするっていうタブルミーニングになってるらしい。

えるぼし認定

これは、女性が活躍できる会社かどうかで認定される制度。たとえば、男女別に見て、採用人数に偏りがないか、女性の平均勤続年数が男性の7割以上あるか、管理職の比率はどうか、みたいなこと。これも厚労省の制度だね。

女性が長く働ける、キャリアアップができる会社かどうかの指標でもあるけど、同時に「男女問わず活躍できる会社」とも受け取れる。

ユースエール認定

これは、ユース(若者)をエール(応援)てことで、35歳未満の人の採用や育成に力を入れてる会社を厚生労働省が認定する制度。

新卒者を定期的に採用してるとか、残業が月平均20時間以下とか。あとは、人材育成の制度があるか、採用から3年以内に退職した人の割合が30%以下かどうか、とかね。

ホワイト企業かどうかを見分けるポイント

ホワイト企業かどうかを見分けるポイント

上のような制度の中身をまとめてみると、ホワイト企業の条件はこんな感じ。ハローワークの求人票とか転職サイトの求人情報、企業の公式サイトとかチェックする時の参考にしてほしい。

  • 有休休暇の取得率が高い(休みを取りやすい)
  • 残業が少ない
  • 男でも女でも活躍できる
  • 仕事と育児や介護の両立がしやすい
  • 若者がすぐに辞めない
  • 教育訓練・研修とかがちゃんとある
  • 長時間労働へのケア(医師による面談とか)がある
  • みんなが定期健康診断を受けられる
  • 健康に配慮したウォーキングイベントとかの取り組みがある
  • ストレスチェックとかメンタルヘルス対策をしている
  • 労働法とかの法令違反がない

法律を守るとかは当たり前だから、ホワイトの条件じゃなくっていい気がするけどね。残業代を払わないとか、それ以前に給料を払わないとかって、論外じゃない?

求人票で見るなら、残業時間とかボーナスの額の目安が具体的に書いてあるかどうかも大事。副業したいなら副業OKか、家が遠いならリモートワークOKかとか、人によっても「ホワイト」の基準は違うかもしれない。

でも、「ホワイト」っていうからには、有休とか育休とかが、法律の規定ギリギリの日数じゃなくて、より多く取れるといいよね。有休のナントカ休暇とか、ナントカ手当は多いほどありがたい。

探すべきはホワイト企業より「ヤバくない会社」

選ぶべきはホワイトなのもいいが一番はやばくない事、一番やばくないものを選ぶ様子

いろいろ紹介はしてきたけど、ホワイト企業かどうかを見分けるのって、実際は難しかったりする。ホワイト企業に勤めたって、不満に思う人はいるしね。

だからオススメしたいのは、ホワイト企業だけを探そうとするんじゃなくて、ブラック企業とか、それに近い「ヤバい会社」を選ばないように気を付けること。ポイントは、次の3つだ。

国の認定だけを信じるのはヤバい

タイムカードを切る画像

ホワイト認定とかくるみんマークとかユースエール制度とか、いろいろあるけど、これだけじゃホワイト企業だとは言い切れない。

だって、「取り組んでますよー」って形だけつくろってアピールして、企業価値を上げようとしてるだけの会社がないとも限らない。

たまに聞くよね?残業させてるのに、タイムカードは定時で押させてる会社があるって。そんな感じで、現実は違ってる可能性だってある。

求人票の書き方があいまいだとヤバイ

入社前にその会社を知る方法って、公式サイトとかSNSを見るか、求人情報を見るかじゃない?その求人情報の内容があいまいな会社には要注意。

ブラック企業が問題になったのもあって、求人情報に書くべき項目が法律で決まってて、書き方の指定がある項目もある。なのに、はっきり書いてない会社は結構ある。

それって、はっきり書けない理由があるか、あえて誤解できそうな書き方ごまかしてる可能性がある。

何より、よくわからない求人情報を出すってことがもう、将来の従業員候補に対して不親切じゃない? 

一見よさそうなコトバも要注意

求人をよく見ないといけない、注意が必要

条件以外に、書いてある言葉にも「ヤバい」兆候はある。それは、求人情報の中や、公式サイトの経営理念、社長からのメッセージなんかに表れてることも多い。

社長からの熱すぎるメッセージ

たとえば、こんな感じの言葉が「社長あいさつ」なんかにある場合は、ちょっと警戒したい。

  • 「人生で最も重要なのは仕事」
  • 「会社のために社員も成長すべき」
  • 「仕事は辛く厳しくて当たり前」
  • 「成功したいなら苦労すべき」

こういう信条の人がトップだと、社員にも同じ考えが求められる。「だから繁忙期は休日返上も当然」「給料が安くても会社のためにガマンしろ」ってことだとしたら怖い。

魅力的そうな職場説明

求人情報に、こういう言葉が書かれてる会社もたまにある。

  • アットホームな職場です
  • 家族のような仲間があなたを待っています

これを、「ユルくて楽しそう」「仲がよくて働きやすそう」って素直に受け取るのはちょっとキケン。

よくあるのは、いわゆる家族経営で、業務や会社のルールがはっきり決まってなくて、いろんなことが社長や「奥さん」の気分次第でコロコロ変わったりすること。

仲がいいのはいいけど、狭いコミュニティに入り込むのにはデメリットもある。ちょっとしたきっかけで破綻しやすいし、キョリが近すぎると逆に、本音が言いづらかったりもする。

一見すると甘い?言葉

こういうパターンも求人情報に多いけど、ちょっと警戒した方がいい。

  • 未経験歓迎
  • 経験不問
  • 学歴不問

ほとんどの会社が、即戦力となる優秀な人材を望んでる。それなのに「未経験歓迎」「○○不問」っていうのは、よほど簡単な仕事か、よほど人が足りない可能性が高い。

求人募集するほど人手がほしいのに、未経験の人に一から丁寧に教える時間なんてあるのかなって思わない?「歓迎」って書いてあるけど、たぶん本当に歓迎されるわけじゃない。

実はウラがある?言葉

真面目にがんばろうとする人には、こういう言葉が刺さるのかもしれない。

  • 実力主義
  • 成長したい人集まれ
  • 自分で考えて行動できる人を求めています

「実力主義」は、学歴や年齢、勤続年数は評価に関係ないってこと。公平でよさそうに思えるけど、「がんばり」が評価してもらえるワケじゃない。

能力や実力を「結果」で出せなければ、出世とか昇給とかなくても文句は言えない。

「成長したい人」「自分で考えて行動できる人」がほしいのは、どの会社も同じ。それを、あえて書くところが怪しいポイント。

「成長」って名目で、その実「何でもやらせたい」「誰も教えないから自分で考えてやってほしい」って意図が見え隠れしてる。

いい会社を見極めるには、プロを頼るのが得策

プロの転職エージェント

ホワイト企業とは、社員のために働きやすい職場環境を整え、法令もしっかり守る会社のこと。でも、その見極めは難しくて、外からではわからない。

離職率とか育休取得率とかの数字は、参考にはなるけど、だからって自分にとっていい企業とは限らない。肝心なのはそこじゃない、っていう人もいるしね。

もし転職を考えるなら、転職先選びは重要だから慎重に。求人情報の内容だけじゃわからないこと多いから、転職のプロがサポートしてくれる転職エージェントに相談するのも1つの手。

職場のストレスを解決!無料の転職相談、
始めてみない?